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網膜刺激型電極を設置するためには、電極をどのような手術方法で、どの部位に移植するか、移植後どのような合併症が生じる可能性があるかを検討することが必要です。つまり、電気刺激による網膜変化の観察はもちろんのこと、手術侵襲(網膜損傷、網膜剥離、多量出血、術後の炎症反応、増殖性変化など)を減らす術式開発のためにも、術後の人工視覚誘発電極の生体適合性を組織学的に検討することは重要な課題です。
これまで、脈絡膜上―経網膜刺激方式(STS方式)は、刺激電極挿入時の外科的侵襲予防や安定性において、網膜上や網膜下の刺激電極より優れていることを動物眼を用いて組織学的に観察しました。現在、STS方式の臨床応用に向けて、適切な電極の材質や形態の種類、電流の安全域、設置方法を検討するとともに、慢性埋植における電極の安定性や異物反応などを組織学的に検討しています。
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